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オードリー・タン「デジタルとAIの未来を語る」をレビュー

書評

評価 :3/5。

オードリー・タンの考え方とは?

正直、評価を迷いました。と言うのも、政治的背景もあります。ここは人によってかなり違うでしょう。そして、日本と台湾との違いもあります。ただ、見習って欲しい部分があります。ですが、国民性の違いや歴史的部分もかなり違う。

なので、読み物としては良い。と言う位置づけにしました。

タン氏の人生を見ながら

最初に感じたのは「やっぱり日本とは違うな」ということでした。タン氏は中学校を中退しています。日本ではありえません。ですが、今の時代ならオンラインで学ぶことはできます。そういう意味では、義務教育、ひいては飛び級制度も視野に入れてもいいんじゃないのか?と考えます。

と、言うのも。日本では教育のアップデートがかなり遅れています。今はプログラムなどパソコンを浸かった授業もありますが、やっていることが稚拙です。

そして、個人差を考えるとやっぱり飛び級制度は欠かせない。

義務教育は、勉強ができない子どもに焦点を当てるべきです。だから、勉強ができる子どもには飛び級制度を使い、ドンドン勉強をしてもらう。その方がアベレージもよくなります。子どもにとって、勉強とは意味のある学びにしなくてはいけないとつくづく考えます。

1つの例として、ボクの子ども時代の話をしますね。

ボクは小学校の高学年まで神戸市に住んでいました。その後、家庭の事情で大阪に転校。学力の低さ、宿題の意味のなさに驚きました。

それは中学校に行っても同じでした。小学校4年生で習ったことが、中1ででてきたんです。この3年間の差、大きくないですか?当時はもう、まともに勉強をしなくなっていました。ですが、記憶を辿れば問題の解き方が分かります。

まず、地域ごとの学力の差を埋めないと意味がないんじゃ?と幼いながらに考えました。なので、タン氏が14歳で中学校を中退した気持ちが分かります。子どもの可能性を伸ばすためにも、教育制度を見直した方が良い。日本の古い教育では、グローバルに戦える子どもが少なくなります。


シリコンバレーで15歳で起業したタン氏。結局、半年で台湾に帰ったそうですが、自分のやりたいことができたので台湾に帰っています。

日本でも、高校生や大学生も起業することがあります。ここは本当に少数だと思いますが、増えていけば良いと思います。デジタルの時代だからこそ、できる起業もあります。どんな人の役に立てるのか?こういった目的を持って起業してもらいたいものです。

そんな経験を経て、タン氏は政治の世界へ入ります。

この部分は、国や国民性の違いもありますし、個人的な考え方も違うと思うので本書にすずります。ですが、日本と言う島国。やはり、欧米に比べ東南アジアには疎いのかな?と感じています。実際、台湾がどんな国なのか。どんな国に成長しているのか。恥ずかしながら、本書で知りました。

海外情勢を知り、日本の政治の見方を考えるのも1つの方法かも知れませんね。

デジタル民主主義

タン氏は、デジタル技術を活用して市民参加を促進することの重要性を強調しています。自ら開設したプラットフォームを使い、国民が問題提起やアイデアの提案などを行っています。

この感覚は日本にはありません。どこか、政治や国といった部分に興味を示さない。

日本人は「自分には関係ない」と思う傾向がありますよね。実際、誰が政治家になっても税金は上がる一方。国民の声が届かない。こんな状態では仕方がないのかも知れません。ですが、こういった双方向でもコミュニケーションがとれれば、もっと施策の幅も増えるでしょう。

民主主義でありながら、どこか共産主義のような感覚で過ごしている。今の日本を例えるとこんな感じじゃないでしょうか?

デジタルにはデジタルの良さがあり、アナログにはアナログの良さがあります。ですが、過疎地に行けば行くほどデジタル化は遅れています。この現状をもっと改善しないと、過疎地では人とのつながりが生まれません。

過疎地でもデジタル化ができれば、町おこしももっと活発になるでしょう。

AIの役割と倫理

タン氏は、AIが人間の仕事を奪うのではなく、むしろ人間の生活を向上させるためのツールであると述べています。AIをどのように活用するかが重要であり、倫理的な視点を持つことが求められます。

これから10年20年と経てば、AIはもっと進化しています。もちろん、自動運転技術も発展しているでしょうし、工場でのピッキングや発送作業もAIが担うことになるでしょう。ですが、AIが感情を持つ。この部分はどうでしょうか?

確かに、擬似的に感情を持つことはできるかも知れません。でも、最終的に決断を下すのは人間です。SF映画のように、人間が支配されることは起こらないのではないでしょうか?

そして、このAIの発展をこうも考えられます。少子高齢化が問題となっている日本ですが、AIがその大半を担うことで、少ない人数でも成果が出せる。AIを活用することで、経済成長が見込めるのではないでしょうか?

ほとんどの業務を、ツール化することで人間の労力は格段に減ります。

少子高齢化を悲観するのではなく、問題視するのではなく、逆手を取ってツールと割り切り上手に活用する方が日本には向いているのではないでしょうか?

テクノロジーの活用

デジタル技術は、社会の問題を解決するための強力な手段であるとタン氏は主張しています。これには激しく同意します。

テクノロジーの良い部分を分かっていただきたい。

本書にも書いてありましたが、プログラマーが協力し、国民のためにアプリを作る。そんなプラットフォームは日本には存在しないでしょう。そもそも、仕事に追われてそれどころではない人が多いんじゃないでしょうか?

テクノロジーの進化は、人間がより便利に過ごすためのモノです。

そして、社会の問題を解決することにも使えます。また、タン氏は「誰も置き去りにしない」という理念を掲げています。これもその通りです。

高齢者や脆弱者が取り残されてはいけません。それこそ、アプリを改良につぐ改良し、全国民が違和感なく使えるようにすればいいだけの話です。難しい部分は表面に出さず、裏のプログラムで処理すればいい。それぐらいの技術はあるんです。

個人の成長と社会貢献

タン氏は、自身の経験を通じて、個人が社会に対してどのように貢献できるかを考えることの重要性を説いています。彼の言葉には、社会のために行動することが自己成長にもつながるというメッセージが込められているんですね。

ボクの考えでは、「個人は成長し続けなければいけません

社会貢献と難しく考える必要もないと思っています。それは、個人が成長し、ビジネスを通しても社会貢献は可能だからです。

何なら、ボランディアでもいいんです。近所を掃除することも社会貢献です。子どもにちゃんとした教育をするのも社会貢献です。地域活性に貢献するのも社会貢献です。数えればキリがないぐらい、社会貢献できる場はあるんです。

まとめ

  • 教育を考え直す
  • デジタル技術は問題解決のため
  • AIは所詮ツールである
  • テクノロジーは人間が豊かになるため
  • 社会貢献はどんな場でもできる

ボク自身、東南アジア情勢を知ろうともしていませんでした。常に最新の情報と言えば欧米です。それはそれで身のあるものです。ですが、今成長し続けている東南アジアに目を向けることも大事なんだと実感しました。

それをどう自分に取り入れるかが大事なんだと思います。

個人的に、本書は読み物として、海外情勢を見直す。そんな位置づけがいいんじゃないのかな?と思います。

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